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どっちがいいの??会陰切開 VS 会陰裂傷

皆さんこんにちは。Karinです。

数日前からウィーンもだいぶ秋らしくなり始めました。しかしかなり急激に寒くなったので体が追いつくのがかなり大変です。特に季節の変わり目は上着などで温度調節をして風邪をひかないようにしたいですよね。

私も産後5週目に入り徐々に家族4人の生活にも慣れてきて、長男の送り迎えや買い物などに外に出るようになりました。今回は「産褥期はしっかり休む」というのが私の目標だったので、大概のことは周りに任せて自分のやりたいようにのんびり

過ごさせてもらっています。料理に掃除に家のことはほぼ夫がやってくれていて本当に感謝です。(実は普段も夫のほうがきれい好きで、窓ふきや床磨き、トイレ掃除も夫がやることが多いですキョロキョロ)そんな夫も再来週から仕事に戻るのでそろそろ私も重い腰を上げないと

いけないななんて思っています。

さて今日は先週の出産のお話から会陰をテーマに書いてみたいと思います。妊娠出産を経験された方にとっては会陰というのは馴染みのある話題だと思いますがそれ以外ではあまりふれられるテーマではありませんよね。

まず会陰というのは外陰部と肛門の間の長さ3~5cmの部分のことを指します。出産のときには赤ちゃんが出てくる際にこの会陰は最大に伸ばされます。そして時に裂けることがあります。それを会陰裂傷と言います。

会陰裂傷は程度によって第一度~第四度に分けられます。

ざっくり書くと

第一度:会陰の皮膚や粘膜のみの損傷
第二度:会陰の筋層に達するが肛門括約筋には損傷が及ばない
第三度:肛門括約筋の損傷が認められる
第四度:裂傷が直腸にまで達する

というような感じです。

会陰裂傷第三度ないしは第四度は聞くだけでゾッとしてしまいますよね。しかし実際、初産(自然分娩)の20%ほどで起こっているそうです。ただしっかり診断をしてくれる場所がないので気づかない人が多いのです。

そしてそんな会陰裂傷を防ぐため行われているのが会陰切開です。大きな裂傷が起こる前に会陰を切ってしまうのです。現在では肛門に向かって垂直に切開する「正中切開法」と、斜め方向に切開する「正中側切開法」の2つが主流で行われています。

ところが最近はこの会陰切開、減らしていく傾向にあるのをご存じですか?私の住んでいるオーストリアでは15年ほど前まで会陰切開率は80%とかなり高かったのですが、現在では約40%ほどまで下がってきています。

調べてみるとウィーン最大のウィーン市立総合病院 の会陰切開率は8.6%ほど、そして最近産科を大きく拡大したSt.Josef病院の会陰切開率は3.6%とかなり低いです。

それに比べ日本は現在も会陰切開率が80%と世界でも会陰切開率が高い国と言われています。その理由は東アジア人は分娩時に会陰裂傷が起こる可能性が高いからだそうです。

また実際は

・子どもが大きすぎるから

・お産が早く進みすぎるため会陰裂傷がひどくなると想定するから

・お産に長い時間がかかり会陰切開をすることでお産が進むと想定するから

・今までずっと会陰切開を行ってきたから

・会陰切開をしなければその周りの組織が伸びないから

・助産師学校で会陰切開をするように習ってきたから

・会陰切開は会陰裂傷より早く治るから

といった理由で会陰切開は行われていることが多いのですが、これらの理由は本来は会陰切開をする理由にはならないそうです。WHOですら会陰切開率を5~10%に下げるよう支持しているみたいです。

もちろん吸引分娩や鉗子分娩を行う場合やお産が進まず赤ちゃんの心拍が下がっている場合、また会陰の伸びが極端に悪い場合など会陰切開が必要な場合もあります。しかしではなぜ会陰切開を減らす傾向にあるのでしょうか?まずは会陰裂傷というのは多くの場合、血管が少なく筋肉に損傷が起きない場所に起こります。そのため出血も痛みも少なく治りも会陰切開よりはるかに速いです。また排泄障害を訴える人や産後の性生活に痛みなどを訴える人も会陰裂傷の場合の方が少ないことが研究でわかっています。そして骨盤底筋への影響も会陰裂傷の場合の方が少ないです。

私の場合第一子の出産のときは4kgの赤ちゃんだったにもかかわらず、会陰裂傷第一度のみで、縫合もほんの少しで済みました。今回の第二子も4kgを超えていましたが傷一つなく出産を終えることができました。もちろん痛みも全くなかったので産後の生活やすぐに始まる育児のクオリティーにとても大きな影響がありました。

私が傷が少なく済んだ理由を考えてみるとまずは出産前に会陰マッサージをしっかり行ったこと。日ごろから骨盤底筋を意識してエクササイズを行っていること。そして第二子の出産前には理学療法士さんに骨盤、骨盤底筋を出産に向けて調整してもらったことだと思っています。

出産は準備がとても大切です。入院バッグを詰めることももちろんですが自分の体を出産に向けて準備することはもしかしたら一番重要なことなのかもしれません。

皆さんは会陰切開をしましたか?それとも小さな会陰裂傷で済みましたか?会陰切開は自分にとって本当に必要なのか今一度考える必要がありそうですね。

ではまた次回の投稿で!

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この記事を書いた人/Autorin dieses Artikels

オーストリア在住、アラフォー2児の母。女性専門トレーナーとして、妊娠・出産・更年期などライフステージに寄り添ったサポートをしています。家族との暮らしや健康、子育てをテーマに発信中。

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