皆さんお元気ですか?Karinです。
先週のオーストリアは25℃前後ととても暖かい日が続いていました。そんな素晴らしいお天気なら少し遠出しようかなと思いますよね。そこで私たちはウィーンから南へ200kmほど行ったシュタイアーマルク州の州都グラーツに行ってきました。グラーツはオーストリア人口第2の都市でもある美しい世界遺産の街です。
今回は日帰り旅行だったため少しゆっくりできるように、何か1つだけ見ようとグラーツで最も有名なシュロスベルグの時計塔に行くことにしました。シュロスベルグは小高い山で、12世紀あたりからそこの頂上に要塞が築かれていたのですが、18世紀にグラーツがフランスの支配下になった際に時計塔を除く要塞ほぼすべてが破壊されてしまいました。なぜ時計塔が残ったのかと言うと、実は市民が資金を出して時計塔の所有権を買ったことで破壊を免れたんだそうです。すごいですね。そしてこの時計塔の文字盤。よく見ると長針と短針が逆になっています。気づきましたか?市民が遠くからでも時間が見やすいようにとのことらしいですが、本当にこの時計塔は市民に愛されているのですね。

シュロスベルグに登るのにはいくつかルートがあるのですが、我が長男は何せ歩くのが大嫌い。何か興味をひくものが無いと歩きません。なので行きはお花がきれいな坂道ルートを、帰りは山の中のトンネルを通って帰るルートを通りました。(そのほかに階段ルート、エレベーター、ケーブルカー、スライダーがあります)

シュロスベルグの頂上からの景色もとても美しく、赤褐色の屋根がウィーンとは全く違った雰囲気です。グラーツに行く予定がある方はぜひシュロスベルグに登ってみてくださいね。

さて今日は私が前回書いた「産後6ヶ月の私の体」の話の補足と言う形で産前産後トレーニングのすゝめを書いてみたいと思います。
前回の私の投稿で私が産前産後トレーニングに通ったと書きましたが、産前産後トレーニングに参加するにはいくつか守っていただきたいと思うことがあるので簡単にまとめます。
まずは産前(妊娠中)トレーニング
妊娠12週を超えてから始めます。
悪阻があったりトラブルが起きやすい妊娠12週まではトレーニングをせずゆっくり過ごすことをお勧めします。オーストリアでは必要ありませんがヨーロッパのほかの国ではお医者さんの証明書が無いと産前トレーニングには参加できないところもあります。産前トレーニングを始める前にかかりつけの産婦人科医にトレーニングを行ってもよいか確認をしてみるのがいいかもしれません。また何の問題もなければ出産まで産前トレーニングに通えますが、出産が近くなったら自分の体調と相談しながら行うようにしましょう。

次に産後トレーニング
経腟分娩の場合産後6週から、帝王切開の場合産後12週から始めることが出来ます。出来れば産後トレーニングを始める前にもかかりつけの産婦人科医のオッケーがあるといいですね。臓器脱、骨盤底筋、腹直筋離開についても診察してもらえるのが理想です。それによりトレーニング前に治療やセラピーが必要なのかなども分かるので私は絶対にお勧めします。
産後トレーニングはいつまでやればいいの?とよく質問されますが、これは本当に人それぞれです。と言うのは授乳の有無などで体の戻りは個人差がとても大きいからです。オーストリアではトレーニングに赤ちゃんを連れて行ってもいいクラスがたくさんあるのですが、そのほとんどが赤ちゃんがハイハイを始めたら通えなくなります。これは経験された方は分かるかと思いますが、赤ちゃんがハイハイを始めるとお母さんの意識は自分の身体ではなく赤ちゃんの方に向いたままになってしまいます。赤ちゃんなしでの参加ならその後も可能ですが、誰に見てもらうのってなると、大体の人が赤ちゃんがハイハイを始める6か月あたりでトレーニングをやめてしまいます。骨盤底筋はトレーニングをやめてしまうと逆戻りしてしまうので本当はその後も続けられるクラスがあるといいんですが。。。
さて産後トレーニングは早くても産後6週からと書きましたが、それまでの間はどうすればいいのでしょうか?
産後すぐから産後約8週間くらいまでのことを産褥期と言います。この時期はとにかく体を休めることが中心になります。オーストリアでは一昔前、Eine Woche im Bett, eine Woche auf dem Bett und eine Woche ums Bett herum. (一週間はベッドの中で、一週間はベッドの上で、一週間はベッドの周りで)と言われていました。要するに、産後1週目はベッドで横になって過ごし、産後2週目はベッドの上で座って過ごし、産後3週目はベッドの近くで過ごしましょう。と言うことです。これは意外と大切なことを言っています。最近では産後早く復帰することが美徳のような風潮もある気がしますが、この産褥期にしっかり体を休めておかないと後々年を重ねた時にガタが来てしまいます。妊娠で大きく変化した体にゆっくりと元に戻る時間を与えてあげてほしいと思います。
ただそんな期間でも体のためにできることはあります。オーストリアの病院では産後入院中に理学療法士さんが訪ねてきてくれ、産褥期にできる運動を教えてくれたりします。
ここで3つほど私がお勧めする産褥期にできる運動を書きます。これから出産の方はぜひお試しください。
・枕をお腹の下に置きうつぶせに寝る。
これは子宮の収縮を促したり、腰や骨盤底筋への負荷を減らします。30分ほどが理想ですがまずは5分から始めてみましょう。
・仰向けの状態で片脚を天井に伸ばし、足首を回す。
これは足の浮腫みを解消したり、血栓ができないようにするために行います。外回し10回内回し10回、そして反対足も同じように回します。
・仰向けの状態でお腹を引っ込める。
仰向けで脚を立て、お腹に手を当てます。鼻からお腹の中に息を吸い、口から「ふー」っと息を吐きお腹を平らにします。これは腹筋、特に腹横筋を活性化させるためと、横隔膜を刺激するために行います。10回から15回ほど繰り返すのが良いでしょう。
すべてにおいて無理は禁物です。特に産後は赤ちゃん中心の生活になるのでなかなか自分の時間が取れないのが現実だと思います。産後2年経って時間ができてからトレーニングを始めても私はいいと思っています。自分の身体と相談をしながら体にいいことをしたいものですね。
ではまた。


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