皆さんこんにちは。Karinです。
ここ2か月ほど「暑い暑い」と書いておりますが、その勢いはまだまだ衰えることなく。。。先週は熱帯夜が続き、その暑さから我が次男もひっきりなしにおっぱいを探し、私、寝不足が続いております。こればっかりはどうしようもありませんねー。私たちは少なくとも日中だけでも涼しさを求め、ウィーンから車で1時間ほど南に行ったところにあるMyrafälle(ミラフェレ)に行って参りました。14もの滝に掛けられた木の橋を上っていくハイキングコースです。


私たちはハイキングに行く際はあまり人が行かないところを目指すのですが、今回はこの暑さでみんな考えることが同じだったのでしょう。ハイキングコースには渋谷の交差点といい勝負と言えるほどの人が歩いておりました。これにはびっくり。それでも選ぶコースによっては岩をよじ登るような場所があったりと大人でも結構楽しめましたよ。途中休憩をした山小屋の食事もとっても美味しかったです。(これがハイキングの楽しみでもあるんですよね)そして我が家の男性陣は水があれば必ず入る。どこでも入る。楽しそうに水遊びをしておりました。

※ここは自然保護地域に指定されているため大人は7ユーロ入場料がかかります。
(以前紹介したNiederoesterreich Cardは使えません。)
さて前回の子どもたちの発達のお話に続けてピクラー保育についてお話してみたいと思います。
私は長男を出産後、彼が幼稚園に行き始める1歳半までの間に色々な習い事を試してみたり、グループに参加したりしていました。その中でもピクラー保育のクラスはとても興味深く、私たちの育児コンセプトと合っていたので、現在次男もクラスに通っています。
ピクラー保育というのはハンガリー人の小児科医エミー・ピクラーが提唱した教育学的アプローチです。簡単にまとめると「自発的な子ども主導の運動や遊びを尊重する」というものです。(シュタイナー教育をやっている方はご存じかもしれません)
もう少し分かりやすくピクラー保育の考え方をいくつか見てみましょう。
・子ども扱いしない
赤ちゃんであっても一人の人間であることには変わりません。子ども扱いせず子どもの尊厳を尊重することが大切です。
・声をかけてから
「これから着替えるよー」とか「お風呂に入ろうねー」など何をするにも必ずこれから起こることをしっかり伝えてあげます。それにより子どもと親の信頼関係が深まります。
・いつも同じ手順でのお世話
おむつ替えや授乳、お風呂などは毎回同じ手順で行うことで、赤ちゃんもこれから何が起こるのか分かるようになり、安心につながります。
・赤ちゃん自身が一番よく知っている
赤ちゃんは誰に教えられなくても寝返りやハイハイ、お座りなどが出来るようになります。大人が手伝ってしまうことで、必要な筋肉を発達させる機会や、何度も繰り返すことで達成するというプロセスを学ぶ機会を逃してしまうことになります。
・その子の成長の力を信じる
これは前回の我が息子たちの成長の投稿でもお話ししましたが、子どもにはそれぞれ成長のペースがあります。早いということが必ずしもいいわけではないのです。ごゆっくりさんもせっかちさんも見守ってあげたいですね。
・安全に過ごせる環境づくり
「それは触っちゃダメ」など赤ちゃんに声を上げる必要が無いように赤ちゃんにとって安全な空間を作る必要があります。これは私にとっても一番大きな課題です。上の子と下の子の年が離れているとなかなか難しいんですよね。上の子はレゴで遊びたい、下の子は何でも口に入れたい。日々頭を悩ませております。
ピクラー保育の内容が少しお分かりいただけたでしょうか?
ではピクラー保育のクラスというのはいったいどんなことをするのでしょうか?まず分かりやすくクラスの写真を載せます。(クラス内での写真撮影はできないのでピクラー協会のお写真を借りました)PIKLER INSTITUT – Emmi Pikler Pädagogikpikler-hengstenberg.at


このようにピクラートライアングル(上の写真)、ラビリンス(下の写真)と言った大きめの遊具があり、その周りにはたくさんのおもちゃがおいてあります。(親の持ち物などのおもちゃ以外のものはすべて子供の手の届かないところに置いてあります)子どもたちは1時間この部屋で好きなように好きなもので遊ぶのです。クラスには先生が1人いて、危ないなというところはサポートしてくれるので、親は部屋の端に置いてある座布団に座ってそれを見守ります。
えっ、それだけ?
と思われた方もいるかと思いますが、親にとっては時として結構つらいものです。基本的に親は立ち上がって子どもの所に行ってサポートすることはできないので、見守りながらも「危なーい」と心の中で叫び、ヒヤッとしたことは何度もあります。でも自由に遊んでいる子どもたちは本当に生き生きしていますし、挑戦する意欲や、何度も何度も練習するというプロセスをしっかり学んでいます。そして私たち親は見守ることの大変さ、そしてその大切さを学びます。
途中でちょっとした休憩がありコップに入ったお水が配られます。我が次男は8ヶ月のころからクラスに通っているので、その時からコップで水を飲むようになりました。(もちろんこぼしますけれどね)長男が離乳食を始めた際お水を飲ませるために、哺乳瓶やらストローやらありとあらゆるタイプのものを試したのですがどれもあまりうまくいかず。。。本当に悩みました。長男は1歳を少し超えたころからピクラー保育のクラスに行き始めたのですが、同じようにコップに入ったお水をもらったので半信半疑で試してみると、なんとコップでお水が飲めたんですよね。驚きました。「子ども扱いしない」、「子どもの成長を信じる」、とても大切なことです。
クラスが終わるころには1時間遊びに没頭した子どもたちは疲れて眠くなり、帰り道はいつもぐっすり夢の中です。理想ですね。
日本ではまだこのピクラー保育があまり広まっていない感じがしますが、クラスに通わずともお家でできることがたくさんあります。一度に全部を始めるのは難しいので少しずつ。
何か新たな発見があるかもしれませんね。
ではまた。


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