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私のアイデンティティー

皆さんこんにちは。Karinです。

だいぶ暖かくなってきましたがいかがお過ごしですか?

先日、次男と一緒に遊んでいた時。最近わざとものを口に入れる二男は、小さなおもちゃを口に入れようとしました。私がすかさず「それは口に入れちゃダメ」と厳しい口調で言うと、次男は口をへの字にし泣きそうになり「ママ、ごめんね。」と言ったのです。びっくりしました。そもそもごめんねという言葉を知っていたこと、それを謝罪のシーンで使ってきたことに心底驚いたのです。そして「ママも怒ってごめんね。」と二人でギューをしました。どんどん成長を遂げる次男。日々それを見守れるのが本当にうれしいです。

さて今日は私が一度は書いてみたかったテーマ「アイデンティティー」についてのお話になります。どうぞお付き合いくださいませ。

アイデンティティーとは日本語で「自己同一性」と言ったりしますが、簡単に言うと「自分がいったい何者なのか」という自己認識のことを言います。アイデンティティーの形成というのは誰しもが通る道ですが、私はハーフであるがゆえにかなり悩んだ時期がありました。

私もElisaも何度か書いたことがありますが、私たちはオーストリア人の父と日本人の母のもとに日本で生まれました。17歳でオーストリアにバレエ留学するまでは普通に日本の幼稚園、小学校、中学校、高校に通いました。そうなると自分としては中身はもう日本人なんですよね。

しかし日本にいるとやはり私は日本人ではないように見えるので、「出身はどこですか?」や「日本語が上手ですね」などと言われることが多々ありました。そう言われるたびに「私は日本人なんだけどなー。逆にドイツ語出来ないし」と思ったのをよく覚えています。

もちろん私たちの両親はオーストリアの文化にも触れてほしいと思っていたので、家での行事ごとはオーストリアの方が比重が大きかったように思います。またピアニストである母の影響もあって家で流れている音楽はクラシックが多かったので、どこかで「自分はオーストリア人でもあるんだ」と子どもながらに思っていたかもしれません。

そして両親は私たちが自分に自信を持てるように「あなたたちはハーフじゃなくてダブルなんだよ」と常々言っていました。今は自分が2つの文化を背負う子どもを育てるようになり、あれは親心なんだと思えるのですが、当時は正直重かった。2倍って言われるような人じゃないんだけどなと思ってました。

さて17歳でオーストリアに渡った私ですが、日本にいたときと同じことが起きます。オーストリアにいると私は完全にアジア人に見えるのです。その上ドイツ語も挨拶程度しかできませんでしたからここでも外国人扱いをされます。

夫曰く、私が日本にいるとハーフだというのが分からないのだそう💦それくらいアジア人に見えるらしいです。

日本でも外国人、オーストリアでも外国人、でも両親は日本人とオーストリア人であることに自信を持てと言っている。年ごろの私はわけが分からなくなっちゃったんですよね。

私は一体何者なんだろう?と。

どこにも属せないというあの感覚は不安をもたらします。何年も何年も悩みました。自分の存在価値が見いだせない時期もかなり長くありました。ところがいつしかそんな私の気持ちにも変化が現れます。これってそんなに悩むことか?

私は今年でオーストリアに移り住んで22年になります。日本に住んでいた年数をとっくに超えました。そんな私が今自分のアイデンティティー問題に思うこと。

どーでもいいんじゃない?

いやー、おばちゃんになりましたねー。本当にどーでもいい。「えっ」っと思われた方もいるかと思いますが、これはなにもネガティブな意味で言っているわけではないんです。オーストリアで資格を取ったり、仕事をしたり、子どもの幼稚園に関わることで、ここには「色々な文化を持って生まれた人」が沢山いることを知ったのです。私は何も特別ではないんだと。

ここで私が言う「色々な文化を持って生まれた人」=「外国人」はElisaが前回の投稿でお話している移民とは別の話になります。ヨーロッパは陸続きでもあるのでそもそも色々な文化をバックグラウンドに持つ人たちがたくさんいます。その人たちはオーストリアの公用語であるドイツ語をしゃべり、仕事をし、オーストリアの法律に習って生活をしています。問題視されているのはオーストリアにいるにもかかわらず郷に従えない人たちなのでそこの所はお間違えの無いように。

昔は自己紹介をする時に「日本から来たのでまだドイツ語が上手ではないからご迷惑をおかけするかもしれませんがよろしくお願いします。」というような事を言っていました。外国人であること、言葉が満足にできないことにすごく引け目を感じていたのです。今では自己紹介で「ウィーンから来ました。」と言っています。人生の半分以上ここに住んでいますからね。

これは伝わるかわからないのですが、自分の感覚では、昔はハーフという鎧の中にKarin が隠れている感じでしたが、今は私はKarin であってハーフというのは星座や血液型と同じように情報だけという感じがしています。

自分は特別なんだという考えを手放したとたん気持ちが楽になりアイデンティティー問題で悩むことがなくなりました。そして私のバックグラウンドでもある日本の文化もオーストリアの文化も大切にして行きたいと思えるようになったんです。今はオーストリアに住みながらオーストリア人として生活をし、家では子どもたちと日本語をしゃべったり日本の文化を楽しむことがとても心地よいと感じています。

我が子どもたちも通るであろう道。あまり悩まないで通り抜けてくれるといいなと思っています。

ではまた。来週はElisaの投稿です。お楽しみに!

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この記事を書いた人/Autorin dieses Artikels

オーストリア在住、アラフォー2児の母。女性専門トレーナーとして、妊娠・出産・更年期などライフステージに寄り添ったサポートをしています。家族との暮らしや健康、子育てをテーマに発信中。

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