みなさんこんにちは。Karinです。
寒くなってきましたねー。ウィーンではここのところ天気が悪く雪が舞ったりしています。でもこんなぐずついた天気だと外へ出るのが億劫になりますよね。子どもも大人も。。。そこで家の中で何かできることはないかと探していた時に、たまたまお店で目に入ってきたのがお菓子で作る電車です。お菓子の家の電車バージョンですね。長男は大喜び!ところがこの電車を買っていった日は、夫がお泊りで実家のお手伝いに行っており、初めてのワンオペ2人育児。。。長男の習い事から帰ってきて、家事を終え、次男が眠りについたのが夜9時。その後長男と2人で夜な夜なお菓子の電車を作り、出来上がったのがなんと夜11時。でも長男も私も久しぶりに2人だけの時間を楽しめたので、たまの夜更かしもオッケーですよね。長男はベッドに入って3秒で眠りにつきました。

さて皆さんは11月25日が何の日かご存じですか?この日はRoses Revolution Dayと呼ばれ全世界で産科暴力に対し抗議をする日です。産科暴力という言葉はあまり耳慣れない気がしますが、ドイツ語圏では11月25日に産科暴力についての投稿がインスタなどで数多く見受けられました。今日はそんなテーマでお話をしてみたいと思います。
2011年にスペインで始まったこの平和的革命は、現在では世界30か国以上が参加しており、暴力を受けた女性たちがこの11月25日に、医療者や助産師に宛てたピンクのバラと手紙を病院や分娩室の前に置くというものです。

産科暴力というのは特に妊娠中、出産、産後(産褥期)に医療者や助産師から受けた身体的、精神的暴力のことを言います。例えば不要な内診や帝王切開。以前お話しした不要な会陰切開。(会陰切開の投稿はこちら)説明が無く、同意もしていない投薬や医療行為。人手不足で分娩室に長時間置き去りにされる。言葉の暴力などなど。あげていけばきりがないほど様々な暴力があります。
私個人的には日本の内診台についているカーテンもこの例えに含まれるような気がします。オーストリアには内診台にカーテンはついていません。医師とコミュニケーションをとり、行われる医療行為の説明を受けながらの検査の方が私は安心できますし、一人の人間として扱われている気がします。カーテンの裏に誰がいるのか、どんな表情をしているのか、何が行われているかわからないというのは暴力の温床になりかねないのではないでしょうか。
しかし私たちは医療者が判断した医療行為には逆らうことができないのが普通です。おかしいと思ってもこんなものなのかと納得せざるを得ないというのが現実ではないでしょうか?
妊娠というのは奇跡の連続で成立します。そうして授かった子どもを私たち女性は命がけで産みます。それは本当にかけがえのないことなのです。ところが医療者や助産師の中には子どもが無事生まれさえすればそれでいいと思っている人も少なからずいた、ないしはいるはずです。そんな人たちからの身体的、精神的暴力によって妊娠・出産がトラウマになってしまった人たちがいます。もっと言うとそのトラウマにより生まれてきた子どもとの関係がうまく築けなかった人たちもいるのです。
私は長男を出産する前にこの産科暴力について知りました。そのため以前も書いたようにプライベートで助産師さんをお願いしました。プライベートの助産師さんは妊娠中から産後のサポートまでしてくれるため、ある程度その妊婦さんのことを理解してくれているので、そういった暴力というのは起こりにくいと思ったからです。金額的には結構かかりますが、私は長男の時も次男の時も本当に素晴らしい出産を経験し、お願いした助産師さんには本当に感謝しています。
さてここまで長くなりましたが、今回このテーマでお話したのは、もちろん先日Roses Revolution Dayだったというのもありますが、私が受けた産科暴力についてブログという形で声を上げてみたいと思ったからです。
先ほども書いたように2度経験した出産はどちらもとても素晴らしいものだったのですが、長男を出産した後、授乳のことで産科暴力と言われるものを受けたのです。長男は出産の際に何らかの理由で感染症にかかっていました。そのためNICUのある大きな病院に搬送されたのですが、そのショックから順調に出始めていた私の母乳が全く出なくなってしまったのです。そこからが悪夢のような毎日でした。日々違う看護師さんが私の所に来ては様々な方法で母乳が出るように促そうとするのですが、そのやり方がとても暴力的だったのです。1人はパンパンに張った私の胸を力ずくで押して出そうとし、またほかの看護師さんには私が嫌と言っているのに「このままだと乳腺炎になって大変なことになると」脅すような形で母乳の出を良くする点鼻薬をされました。これにはオキシトシンという幸せホルモンが含まれており、それにより母乳の出を促すものなのですが、私はこの点鼻薬を使ったことで毎日かなりの頭痛に苦しみました。その時隣で見ていた夫も「あれはひどかったよね。」と未だに言っています。それだけ色々やっても母乳の出る気配はなく。。。その後退院してから助産師さんと授乳アドバイザーの方の素晴らしいサポートのおかげで母乳は十分すぎるほど出るようになり、何の問題もなく長男が1歳半になるまで授乳を続けることができました。
今回次男の出産時には、病院に授乳アドバイザーの資格を持った看護師さんがおり、手取り足取り暖かいサポートをしてもらったことですぐに母乳は出始め、現在完母で次男を育てております。
どんな人に出会うかでこんなにも違うのかととても驚いたとともに、こういった暴力というのはいつでも起こりえるのだと実感しました。
しかし暴力というのは受ける側の受け取り方によっても大きく変わってくるのは事実です。そこには十分注意が必要だと思いますが、暴力を受けた際には声を上げることもとても大切なことだと思います。このRoses Revolution Dayという取り組みがもっと広まり、声を上げる人が増え、産科暴力を受ける人が減っていくことを本当に願っています。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
ではまた次回の投稿で!!


コメント/Kommentare