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ぶどう膜炎

こんにちは!Elisaです。

ウィーンは9月末から急に寒くなってしまい、例年よりも早く暖房を入れ始めました。私が住んでいるアパートは数百年も経っているAltbau(アルトバウ)と呼ばれるもので、壁の厚みによって気候の変動にも結構まで対応してくれるのですが、ここ数日は一桁台が続いていたため家で仕事をしていると手足が冷たいと感じるようになってきました。それでも少し散歩へと恒例のシェーンブルン宮殿へ行くと、青空に大きい雲が連なり、とてもきれいな景色が広がっていました。

この日はまだ庭園の花も咲いていましたが、数週間のうちに秋めいていくでしょう。紅葉も楽しみですね。

さて、今年は例年よりも風邪を引いたりすることが多いなと感じていたのですが、前回の風邪から3週間経った頃。目が急に充血し始めたことに気が付きました。風邪の治りも悪いなと思っていたのですが、同時にくしゃみや目のかゆみなども感じていたため、最初は結膜炎かな、とくらいに思っていました。

ちょっと血走っているというか、ちょっと赤いのが見えますよね。左目の方がややひどかったのですが、右目も少し赤みが出始めました。それから1日が経つと、急に眼球が痛み出し、光をしんどく感じるようになりました。

そこで私は姉に相談し、植物やホメオパシーの製品を多く取り扱っているアポテーケ(薬局)を紹介してもらい、古くから結膜炎や炎症などの目の病気に使われるアイブライト(独:Augentrost, 和:コゴメグサ)の目薬を試してみることにしました。

殺菌作用に優れ、基本的には結膜炎といった症状によく効く植物です。しかし私の場合、つけても症状が良くならなかったのです。そして痛みや充血は強くなり、遂にこんな状態になってしまいました。

日中は外に出ると目が開けられないほど痛み、夜も暗がりで電気をつけたりテレビを見るだけでも激痛。これはさすがにおかしいと思い、休日に緊急で診てもらうことにしました。担当は若い男の研修医。所見ではウイルス性だったのですが、私が痛みが強いと伝えると、ようやく詳細に目を見始めました。そして伝えられたのが、おそらくリューマチ。

「えーっ!」結膜炎のはずが急にリューマチ?節々の痛みや家族にそのような病気を抱えている人もおらず、大した検査もしていないのに断定?しかもその人は目に関係のある病名が頭になかったらしく、なんとGoogleで調べ始めました。そしてその日は何の説明もなく、ただ大量の薬だけを出されて家に帰されたのでした。

私は妙に不安になってしまい、何も詳細が分からない状態で薬も使えない、と思い、月曜日まで待ってウィーンの大病院で診てもらうことにしました。やはりウィーンの大きな病院と言うだけあって、ものすごい人。3人の医師に詳細に見て頂き、4時間待った後の診断が「前部ぶどう膜炎(anterior Uveitis)」というものだったのです。実はかなり近い知り合いの方がぶどう膜炎にかかったことがあったのでなんとなく名前は聞いたことがあったのですが、正直詳細は分かりませんでした。

31eye

ぶどう膜とは、図中で赤く記してある虹彩、毛様体、脈絡膜の3つを総称したもの。前部、中間部、後部があり、今回の私のような前部ブドウ膜炎は主に虹彩と毛様体に炎症が起こることを言います。症状は急激な眼痛、頭痛、充血、視力の低下、光過敏(目を開けないほどまぶしく感じる)などがあります。そして原因は多岐にわたり、ウイルスや細菌等の感染、自己免疫疾患などがありますが、多くは特定ができないそうです。

私の場合もこれと言った原因は出てこなかったのですが、3週間前に流行性感冒で寝込んでいたこと、アレルギーで目を頻繁にこすっていたことや、皮膚炎が部分的にあったことで自分の免疫が目の細胞を攻撃したということが考えられるかもしれません。基本的には結膜炎などから波及することはほぼないそうですが、炎症がどこかにあると免疫が常に頑張っているということにはなるので、誤作動したのでしょう。更に鉄や亜鉛、ビタミンD欠乏も背景としてあるので、バランスが乱れているということにもなるかもしれません。

世の中には原因の分からないものが多くありますが、ここからは私が大の苦手なステロイド治療になりました。点眼のみですが、1日8回(2時間後ごと)をまず次のコントロールまで続けることになりました。今回だけは目の炎症を抑えなくてはいけないのでステロイド治療をすることを決め、始める事2日。目はこのような感じまで回復しました。

充血はすぐに消え、痛みもスーッと引いていきました。一時的に瞳孔を大きくする散瞳薬を使っていたため、瞳孔がだいぶ大きくなっています。これにより痛みや癒着を防ぐとのことですが、一番つらかったのがこの薬。近くのものがぼやけて見えなくなってしまうのです。私はドイツ語や植物療法の講義があったため、教科書やパソコンの字が読めないのは致命的。それを病院で伝え、回数は減らしてもらったものの、なんと近くが少し見えるようになるまでに3日もかかるのです。これはもうやりたくないですね〜。

そしてこれを続けること約10日。病院でかなり良くなったので減薬していいですよ、と言われました。これもステロイドを使ったことのある方はよくご存じだと思いますが、減薬はとても大事。急にやめてしまうと炎症が起きたり、リバウンドをしやすくなってしまうのです。そのため今回は、1日5回を5日間。3回を5日間…というようにプランをしていただきました。これで少しずつ良くなっていけばいいなと思っています。

ステロイドなどの薬を使った後は、やはりデトックスが大事。目と肝臓は対応した臓器ということもあり、浄化も含め肝臓に働きかけるターメリックやダンデライオンを飲み始めました。

これはダンデライオン(タンポポ)の葉のハーブティーです。基本的に葉と根のハーブティーがありますが、まずはこの葉で利尿作用を利用しつつ、特に強肝にすぐれた根の方もプラスしていこうかなと考えています。

そして一つ嬉しかったことが、SNSでもこの件を発信した時に、同じくヨーロッパに在住でフィトテラピーを同じ時に学んでいた同期の植物療法士の方がホメオパシーを含む様々な目に良い植物をメッセージで書いてくださったことでした。ホメオパシーの分野は私もまだ未知のことが多く、とても勉強になりましたし、治療後のケアとしてぜひ使ってみたいなと思っています。

今回はまた自分の「目」という臓器を通じていろんなことを学ばされました。炎症が起きている、ということは、体がシグナルを出しているということ。どんな小さなことも見逃していはいけないな、と思いました。特に原因が分からない、と言われることは後のケアが難しいこともありますが、結局は自分の生活習慣を一度見直してみることが大事になのかもしれません。

季節の変わり目、いろいろな変化も感じやすい時期ですが、皆さんも体に気を付けてお過ごしください!

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この記事を書いた人/Autorin dieses Artikels

日本育ち、ウィーン在住の植物療法士。趣味カメラ、文章を書くこと。「自分たちの経験を書くことで一人でも多くの人をハッピーにしたい!」をモットーに発信中!

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