皆さん、こんにちは!Elisaです。
いかがお過ごしでしょうか?
先日は、ウィーンでも30度まで気温が上がり、私がよく散歩をするシェーンブルン宮殿も大変賑わっていました。シェーンブルン宮殿の庭園内には、宮殿以外に動物園、植物園等、色々と見るところがあります。その植物園の裏に小さな日本庭園もあり、ヨーロッパの風景の中に現れる日本に感激をするヨーロッパ人も多いようです。

この庭園は1913年に造られましたが、戦争による被害もあり、1990年代後半に現在の形に復元されました。日墺の友好関係の象徴でもあり、石庭の中に様々な日本の木々や植物を見ることができます。暑い日でも緑が涼をもたらしてくれますね。
さて、ここから本題に入っていきましょう。
2週間前の私のブログでは、風邪を引いて植物を使いながら治しました、なんてことを綴っていたのですが、実はその先にはまだ続きがありました・・・。
おそらくウイルス性の流行性感冒とやらに感染していたみたいで、1日目は喉の痛み、頭痛、関節痛、発熱でぶっ倒れ、何とその次の日には嘘のように症状がなくなっていたため、すっかり完治したものと思い込んでいたのです。
ところが、その2日目の夜のことです。本格的に寝る前に、ちょっとうたた寝をし、トイレに行こうと目を覚ますと右耳が猛烈に痒いことに気が付きました。
「ゲッ。もしやアレかな。」なんだか嫌な予感がしました。
そして寝ようとすると、突然耳の聞こえが悪くなり始め、激しい痛みが同時にやってきました。なんていうんでしょうか。ズキズキする感じです。
私は幼かった頃に数回、そして7年ほど前に一度風邪の後に急性中耳炎になったことがあり、なんとなく感覚としてあの痛みを覚えていました。
前回中耳炎になった時にお世話になったウィーンの耳鼻科は、現在残念ながらないのですが、その時には先生が鼻のスプレーを処方してくれただけで、その他に何もしませんでした。
子供の頃は病院に行けばすぐに抗生剤、というのが定番だったので、中耳炎が何もしなくても時間の経過と共に治ることに驚いたのを覚えています。耳が聞こえるようになるまでには数週間かかったと記憶していますが、確実に自然に治りました。
そして今回も、前回と同様に薬を使わずに治すつもりでした。しかし今回はその激痛が夜明けまで続き、寝入ったのは朝方。それから右耳が水の中に入ったように聞こえなくなりました。きっと膿が溜まったのでしょう。
週末と祝祭日が続いていたこともあり、病院も薬局も開いておらずスタートが少し遅れてしまいましたが、まずはできる植物療法を試しました。平日になってからは姉に買ってきてもらったホメオパシーの耳のオイル、セージのハーブティー、前回のブログにも出てきた吸入。ありとあらゆることを試しました。
ただ、今回はめまいがしたり、食欲も落ちてしまったため、一度耳鼻科に見てもらうことにしたのです。結果は想像通り、中耳炎。ただ聴力検査の結果が良くなかったので、7日間1日3回の抗生剤、痛み止め、去痰剤、ステロイド剤、そして胃薬が処方されました。薬のオンパレードです。
全部飲む必要あるのかな?
私は結局、毎日薬と向き合っては、飲むべきか、飲まなくても良いのかと自問自答し続け、結局飲まないという決断をしました。
なぜ私がここまで(特に)抗生剤を敬遠するのかというと、祖父が病院で術後に抗生剤の耐性菌で命を落としたからでした。そして何より、7日間抗生剤を飲むだけで腸内細菌の約1/3が耐性菌になり、現在の腸内フローラの状態には二度と戻らず、新しく腸内の環境を作るのに半年から1年を要する、ということを知っていたからです。
いつも書いているように私自身は、薬に反対という立場ではなく、本当に必要な場面ではその恩恵を受けるべきだと考えています。ただ、風邪の90%以上はウイルス性であり、その後起きた中耳炎だと考えると、例え鼻にあった細菌がウイルスと共に中耳で悪さをしていたとしても、今回は抗生剤の効果はあまり感じられないのではないかと思っていました。
そして私はもう一度、今度は信頼しているかかりつけ医のところで、自分の気持ちを伝え相談をすることにしました。「耳は重要な器官なので何かあっては困るけれど、体に負担のない治療はないですか。」と尋ねました。そうすると、「今の状況だと炎症が強いから、鼓膜に穴を開けなくていいように、1日1錠の抗生剤を3日飲みましょう。それと抗炎症剤と胃薬で様子を見てください。」と先生に言われました。
私は薬を最小限に抑えられることと、とにかく先生の言葉に気持ちがほっとし、とにかく3日間だけ飲んで、同時に腸内細菌のカプセルを同時に飲むということで決断をしました。
薬を飲んで、どうなったのでしょうか・・・・。
実は何の改善もありませんでした😢耳の聞こえ具合は全く変わらず、風邪も良くならない。これが結果でした。
これ以上どうしようもないので、とにかく自分の勉強した植物療法の知識で悪化させないようにしながら様子を見ることにしました。 それからは自分で試してみたかったオレガノオイルのカプセルと、中耳炎用のハーブチンキをサポートとして飲んでいます。オレガノにはものすごく強い抗菌、殺菌作用があり、胃腸の機能も促進してくれる働きがあります。毎晩食後に1錠飲むようにしていますが、これはなかなかウィーンの薬局では手に入らず、ヨーロッパの様々な薬局からの製品を扱っている総合オンラインショップで購入しました。

そしてハーブチンキは薬局で購入したもので、子供の中耳炎に使って本格的な中耳炎になる前に良くなった、というフィードバックをよく読んでいたのでそれを続けて飲んでいます。

Otovowenという名前がついていますが、”Oto”というのはギリシャ語で耳を意味し、耳の炎症という言葉は少し似たラテン語で”otitis”と言います。オーストリアでも病院では中耳炎を”otitis media”ということがあるため、”Oto”に近い言葉があると耳に関係する、ということが判断できます。なのでこのチンキも主に耳用ということになります。
さて、このチンキですが、ヨウシュトリカブト、スペインペッパー、カモミール、エキナセア等が抽出されています。ヨウシュトリカブト?!
トリカブトと聞くと誰もが猛毒の植物を思い浮かべますよね。その通りです。トリカブトは植物全体が猛毒で、含まれているアコニチンという成分は2g以上が致死量だそうです。いやいや、こんなものを飲んで大丈夫なの?と思ってしまいますが、実は漢方で用いられる附子はまさにこのトリカブトの根の部分を乾燥させたもの。こうして薬として用いられる場合には毒が独別な製法で取り除かれており、急性の熱や風邪、痛みに大変効果があるそうなのです。実はこのヨウシュトリカブト、ホメオパシーやアーユルヴェーダでも昔から使われてきているんですね。
そしてブログの最初の方で登場した姉が中耳炎にとても良かった、と言って持ってきてくれた耳用のオイルにも、青トリカブトが使われているのです。

ヨウシュトリカブトはラテン語で”Aconitum napellus”というため、”Aconit”という名前の付いたこのオイルには思い切りトリカブトが入っているということが分かります。ピーナッツオイルをベースにラベンダーも入っており、とてもいい香りがするのです。これは1日3回ほど1滴ずつ耳に垂らします。
私は今回中耳炎になり始めた時に毎日使っていたのですが、耳鼻科医からもかかりつけ医からも一旦やめてください、と言われ、それ以来使っていません。ただ、中耳炎のなり始めや軽い場合にはこれだけで治ることも多いようです。
現在、中耳炎が始まってから2週間以上が経ちましたが、右耳はまだ完全に聞こえるようになっていません。しかし、最初の頃は全く動きがなかった鼓膜がボコボコいうようになり、聞こえが少し良くなったり悪くなったりを繰り返しています。何と風邪を引いてからはもう3週間近くになるのですが、いまだに鼻も調子が今一なので、鼻と連動して耳も良くなっていくのではないかと思っています。中耳炎は場合によっては1か月以上かかるということで、気長に待ちたいと思っているところです。
風邪を引くこと自体は、免疫のトレーニングと考えると悪いことではないと思いますが、それ以上悪くしないことが大事ですよね。今回は、長期に渡るストレスや不安と言うものが免疫を見事に下げたな、と感じています。ストレスは言葉でいうと簡単なのですが、実際に目に見えるものではないので、それをストレスと感じているかに気付いていない場合もあります。特に目まぐるしく揺れ動く世の中では、思考がネガティブになりやすいものです。その中でいかに自分自身を保ち、エネルギーを陰から陽に変えられるかが肝になってくるのかな、と改めて感じました。とにもかくにもポジティブに!
ということで、長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。次回のブログでは、聴力が完全に戻りました、と報告できたらいいなと思っています。それでは皆さんも、体に気を付けてお過ごしください!


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