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プチブダペスト観光

こんにちは!Elisaです。

今月11月1日は、オーストリアでは”Allerheiligen”(諸聖人の日)と呼ばれる天にいる全ての聖人を祝福する日でした。聖人というのはキリスト教徒のことを指し、毎年この日になると各家庭でお花やロウソクを準備して、ご先祖様のお墓参りへ行きます。宗教的な背景は全く異なりますが、ざっくりいうと「お盆」みたいなイメージでしょうか。

11月1日は私(たち)にとっても少し特別な日。というのも1年前の丁度この日に祖母が天国へ旅立ったからです。偶然ではありますが、なんだかとても感慨深い気持ちになりました。日本の祖母のお墓へは行かれないので自宅でロウソクに火をつけ、その後O君(パートナー)のお母さんの生まれた地であるハンガリーのブダペストへ行ってきました。

私にとってハンガリーはまだ足を踏み入れたことのない国。ずっと行ってみたいと思っていたのですが、夏にせっかく2番目の姉が作ってくれた機会に熱中症になり断念!ということで今回はO君の家族と車で行くことになったのです。

ウィーンからは車で2時間半から3時間ほど。幸いお天気もとてもよく、スムーズにブタペストまで行くことができました。

これはFreiheitsbrücke(自由の橋)と呼ばれるドナウ川をまたぎ、ブダ地区とペシュト地区を結んでいる大きな橋です。よくブダペストと言われますが、ハンガリー語ではSは「シュ」という発音になるため、ペシュトと言われています。

自由の橋から見える景色はとても美しく、多くの観光客が写真を撮っていました。かつてはウィーンを首都に「オーストリア=ハンガリー帝国」という1つの帝国が存在していましたが、1918年に解体されて現在のオーストリア共和国とハンガリー共和国になりました。本来は言語も民族も全く違う2国なので、いっとき1つの帝国だったと考えるとその背景にある権力の強さというものも感じずにはいられませんよね。非常に興味深いです。

さて、今回のブダペスト訪問本来の目的はお墓参り。O君のおばあちゃんに当たる方のお墓がブダペストの中央墓地にあるということで、ロウソクを持ってみんなで行きました。実はハンガリーもオーストリアと同じようにAllerheiligenだったため、墓地まではものすごい渋滞!お母さんも二度とこの日には参拝に来ない、なんて言っていましたが、何とかたどり着くことができました。

ウィーンにも中央墓地という大きな墓地があるのですが、ブタペストの中央墓地は奥まで車で入ることができ、周りにお花のリースや花束、ロウソクを買うことのできるかわいらしいマーケットも併設されていました。これはオーストリアでは見たことがありません。

O君のお母さんも本当に久しぶりの訪問だったのでなかなかお墓が見つからなかったのですが、墓地中を歩き回りようやく見つけることができました。しかし私が想像していたお墓とは違い、いくつも並ぶ引出しのようなところに名前が刻まれていました。写真の奥にある白っぽいものが並んでいるのがそれです。ドイツ語ではUrneと言ういわゆる骨壺が入っているものであるためコンパクトになっています。お母さんもようやく見つけることができ、涙を流しながら喜んでいました。もう一つ興味深かったのが名前の書き方です。妻の名前は、その夫の名前の最後尾に-neを付けることで表されるため、本人の名前ではなく「~の妻」という風に書かれるのです。今の時代でもそのままであることには少し驚きましたが、とにもかくにもロウソクに火をともすことができて本当に良かったと思います。

案外と墓地に行くまでに時間がかかってしまい、市街に戻れたのはほぼ夕方。そこでちょこっとだけ街を観光してきました。

これはO君のお父さんがとてもきれいだと言っていたMatthiaskirche(マティアス教会)です。ブダ地区の中心にあり、ハンガリー語ではマーチャーシュ聖堂というそうです。1015年に建てられたということが伝承されていますが、今の形になったのは14世紀後半。その後改築工事が行われ、現在に至っています。後期ゴシック建築という要素も含まれており、天に向かって伸びる塔が特徴的です。一度はオスマン帝国(現トルコ)により占領され、モスクになったという大変な歴史を持つこの教会ですが、オーストリア=ハンガリー帝国の皇帝だったフランツ・ヨーゼフとエリザベート王妃の戴冠式が行われたというお話もあるのです。偶然日の入りと重なり、本当に美しい瞬間を見ることができました。

写真に写る塔のある砦は、Fischerbastei(漁夫の砦)といって19世紀末にネオロマネスク様式を用いて作られた記念碑です。中世のブダ魚市場の跡地に建てられたということでこの名前が付けられたそうです。中央には、ハンガリーにキリスト教を広めた聖イシュトバーンのブロンズ像があり、その後ろにある階段から砦に上るとドナウ川を含むブダペストを一望できます。

とても美しい景色ですよね。久しぶりに感動してしまいました!

実は今回の観光はこれしかできなかったのですが、最もきれいな部分を見られたのかもしれません。ブダペストは意外と見るところが多いので、半日ではとても全部は見きれないという印象です。次回はぜひ宿泊も兼ねてブタペスト観光の続きをしたいと思います!

皆さんもブダペストへ旅行をする際は、ぜひこのマティアス教会周辺を散策してみてくださいね。

それではまた2週間後に♪

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この記事を書いた人/Autorin dieses Artikels

日本育ち、ウィーン在住の植物療法士。趣味カメラ、文章を書くこと。「自分たちの経験を書くことで一人でも多くの人をハッピーにしたい!」をモットーに発信中!

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